Once Bitten,Never Shy~言わずに死ねるか!~
日々の出来事言いたい放題。毒適量。
フローズン・リバー


 まずは、この作品を直接買い付けて公開に漕ぎ着けてくれた映画館のシネマライズの英断に拍手を送りたい。それと同時に、この良作を買い付けることをしなかった、我が国のすべての映画配給会社は、自らの見る目の無さを恥じるべきだと思う。それだけの力作だと、個人的には思うんだけどな~。 

 2008年サンダンス映画祭グランプリ、2009年アカデミー賞においても主演女優賞(メリッサ・レオ)及び脚本賞にノミネートということで、ある程度の話題性もあると思ったんだけど、やっぱ、この国は、こうした一見地味な作品は、受賞しないと注目されないってことなんですかね~。

 それはさておき、それぞれが守るべきもののために、図らずもカナダからの不法移民の密入国の手引きに手を染めることになってしまったふたりの母親。彼女たち彼女たちが抱える心の葛藤、何の接点もなかった彼女たちの"共犯関係"が徐々に信頼関係に変わっていく様など、本当に上手く描かれている。

 そして、決して甘くない現実のとおり、彼女たちの違法行為が露呈して、追い詰められた末に下したひとつの決断にグッとくる。さらには、凍った河の雪と氷が溶けるように、春の訪れを感じさせるラストシーンに"救い"を感じることができる。やはり、脚本がしっかりしている作品は、いいものですな。

 なお、レイを演じたメリッサ・レオもいいけど、息子のTJを演じたチャーリー・マクダーモットくんが、キラリと光ります。きっとこれからいい役者になっていくだろうな~という大きな可能性が感じられる。

 それから、パキスタン人夫婦を運ぶ際、レイが「自爆テロの手伝いはごめんだ。」とばかりに、爆弾が入っていると思い込んで、彼らの持っていたバッグを途中で道に放置する(実際は、彼らの赤ん坊が入っていたのだけど)くだりは、偏見というよりも、これが現在の普通のアメリカ人の感覚なんだろうな。
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パラノーマル・アクティビティ
 15,000ドルという低予算で、撮影場所は監督の自宅、撮影機材はハンディカム、編集もPCで行うというシンプルなものにもかかわらず、全米で話題沸騰、メチャクチャ怖いという触れ込みで日本でも公開された「パラノーマル・アクティビティ」を観た。

 カップルの自宅で起こる超常現象を解明するために、寝室にハンディカムを設置し、そこに映し出されたのは・・・。

 「ブレアウィッチ・プロジェクト」の系列に連なる"フェイク・ドキュメンタリー"の手法で、視覚に訴えるのではなく、音と気配で恐怖を煽り、後半に行くにしたがってそれがエスカレートしていくという観せ方は上手いですな。

 もっとも、巷で言われているほど怖いかというと、正直言って、怖くないです。私が観た回では場内に時折驚きのあまり声を漏らすお客さんもいるにはいたけど。

 そういえば、私が観た回は、高校生と思しき若いカップル、グループが多かった印象だけど、終映後、これを実話だと思い込んで話しているお客さんが結構いたのには驚いた。若い子は素直でいいですね~(笑)。

 噂によると、続編の計画があるらしいけど、こういうのは"一発芸"みたいなもんだからインパクトがあるのであって、止めといた方がいいと思うんだけど・・・。
アフタースクールとモッチーとムロツヨシ


 現在絶賛公開中の内田けんじ監督最新作「アフタースクール」。渋谷のシネクイントなどはかなり混雑しているという話で、観に行くタイミングを計っていたところ、いつも空いている近場でも公開が急遽決まり、さっそく行って来ました。

 案の定ガラガラ(笑)。作品はというと、内田監督の真骨頂ともいうべき、伏線を張り巡らせた絶妙な構成と二転三転しながらもラストに着地をピタリと決めるストーリー展開の見事さは相変わらずで、出演する俳優陣のそれぞれの持ち味を出した演技も相俟って、爽快な作品でした。

 もっとも、個人的な好みで言ってしまえば、前作「運命じゃない人」を超えているとは思わないけどね。

 で、この作品にムロツヨシさんが出演していて、相変わらずの印象に残るキャラクターを演じていたのがなんだか嬉しい。彼には数年前の某映画祭のレセプションの席で一度お会いしたことがあって(そのときは「サマータイムマシン・ブルース」出演)、その後も「踊る大捜査線」のスピンオフ・シリーズでお見かけしていますが、彼のようなユニークな役者さんにはもっともっと色々な作品でお目にかかりたいものです。

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 ちなみにこの作品の主題歌であるmonobrightの"あの透明感と少年"は、我らが(笑)"モッチー"こと松岡モトキ・プロデュースによるものでして、私のような松岡さんのファンにとっては、良質な脚本と彼が手掛けた楽曲を同時に楽しめる一粒で二度美味しい作品でありました。
2008/03/20 フェイク予告編だけじゃ勿体ない
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  本日届いたタランティーノ&ロドリゲスの「グラインドハウス コンプリートBOX」(6枚組)。HMV ONLINEで予約すると先着でHMVオリジナル特典が付くということで、楽しみにしていたら、その特典というのがなんと、フェイク予告編で流れていた「マチェーテ」のポスター!

 いや~、ここまで徹底してやってくれるなんて、嬉しいじゃありませんか。しかもこのポスターが超クールな代物で、フェイク予告編の域を超えていますよ。是非マジで映画化してくださいな>ロドリゲス監督。
2007/12/23 「グラインドハウス」コンプリート
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 私の2007年BEST MOVIE間違いなしのタランティーノ&ロドリゲスの「グラインドハウス」のDVDの発売がめでたく決定した(ソースはこちら)。

 今回は「デス・プルーフ」、「プラネット・テラー」のそれぞれ単品だけでなく、な、なんと6枚組のコンプリート・バージョンも登場。これの目玉は、それぞれの作品の本編&特典ディスクに加えて、USA公開バージョンの「グラインドハウス」の本編ディスク(勿論フェイク予告編も収録)と日本オリジナルの特典ディスクが付くというもの。すなわち、一粒で三度美味しいというグ○コ以上のお楽しみが味わえるってわけ。

 しかもこのボリュームで10,000円を切る良心的な価格だけに、タランティーノ&ロドリゲスのファンならば、マスト・アイテム。さっそく予約に走れ!
プラネット・テラー in グラインドハウス
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お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 タランティーノ&ロドリゲスによる「グラインドハウス」日本公開第二弾は、ロバート・ロドリゲス監督による"近未来スプラッタ・ホラー・ムービー"。

 この作品についても、US公開版「グラインドハウス」のレビューで大まかな内容については触れているので、「デス・プルーフ in グラインドハウス」同様、尺が長くなった点や今回あらためて気付いた点などの細かい点について書いておく。

 今回公開された完全版では、全体の長さが15分ほど長くなっているのだが、「デス・プルーフ」のように丸々カットされたシーンを挿入するのではなく、細々としたシーンを元に戻しているといった趣(スイマセン、全部は覚えてません(汗))。それ故US公開バージョンは、ストーリーの展開には大きな影響を及ぼさない程度の短縮であったということが確認できた。

 すなはち、エル・レイの正体部分については、リール喪失はそのままってことで、結局分からずじまいぢゃん(笑)。タランティーノは時間短縮のための"ネタ"としてのリール喪失だったけど、ロドリゲスの場合は、まさに"ネタ"そのものってことかよ(爆)。

 その他、タミーが乗っていた車のカーステから"ジャングル・ジュリアの想い出に捧げる"な~んていうMCが流れてきたりして、あらためて「デス・プルーフ」とのリンクを確認できたり(ってことは、時系列的にはこちらの方が後ってことか)、思わずニヤリとするシーンも。

 そして、当初US公開バージョンを観たときにも「もしや!?」と思っていたのだけど、保安官事務所でゾンビたちに身体を喰いちぎられる警察官カルロスって、やっぱりロドリゲス監督の衝撃のデビュー作「エル・マリアッチ」でマリアッチを演じていたカルロス・ガラルドーだったのね。それを確認できただけでも観た甲斐があったというもの(笑)。

 それにしても、やっぱりチェリーを演じたローズ・マッゴーワンのキュートでセクシーでタフでクールな姿は、今年のベスト・アクトレスに相当するカッコよさ。ラストの戦闘シーンは、何度観てもシビれる。でも、まさかマリリン・マンソンの元婚約者だったとはね~。

 というわけで、監督自ら手掛けたラテン・フレイバー満載の音楽も含め、大満足の作品でございました。ところで、エンド・ロール終了後に画面一杯に映し出される"彼"は、家族を大切にする監督らしいといえばそうなのだけど、やっぱり親バカの象徴?(笑)

2007/09/23@TOHOシネマズ府中
デス・プルーフ in グラインドハウス
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お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 というわけで、US公開バージョンに引き続き、単独公開となった「デス・プルーフ」。映画の日ってことで、劇場もさぞかし大盛況かと思ったら、かな~りガラガラ(泣)。大勢のお客さんと一緒にラストで拍手したかったんだけどね~(笑)。やっぱ、府中あたりじゃタランティーノ観ようっていう物好きはあんまいないのかしら?(苦笑)

 ところで、US公開バージョンは「プラネット・テラー」→「デス・プルーフ」という上映順で、エンディングの爽快感を考えると、それが上手いことハマっていたと思うのだけど、この単独公開バージョンでは何故「デス・プルーフ」が先の公開となったのだろう?日本ではロドリゲスよりもタランティーノのほうが知名度が上だから、まずはこっちを先に公開することで勢いを付けようってことなのかしら?よく分からんけど。

 それはさておき、大まかな内容については既にUS公開版「グラインドハウス」のレビューで触れているので、それとの尺が長くなった分の違いについて書いておきたいと思う。

 大まかに言って、追加されたシーンは2箇所。

 ひとつはバタフライことアーリーンによるラップ・ダンスのシーン。劇場購入のパンフレットによると、US公開バージョンの予告編では流れていたのにカットされて、一番美味しいシーンをなくすというギャグだったらしいけど、わざわざそこまでやるって、手が込んでいる(笑)。ちょっぴりエロイこのシーンを観られなかったアメリカのお客さんはお気の毒だわ(爆)。その割には、こうしたひとつの目玉となるシーンを演じておきながらあっさりと殺しちゃうっていうタランティーノもタランティーノだけど(笑)。まさにB級映画って感じ。

 もうひとつは後半部分のオープニング・シーンの、キムたちが空港へゾーイを迎えにいく前のコンビニのシーン。脚フェチらしいタランティーノの舐めるような(笑)カメラワークが楽しめる。もっとも、大した意味のないシーンであるが(爆)、こうした意味のないシーンの積み重ねがグラインドハウス・ムービーってことであれば何の問題もありゃしません。

 それに、このコンビニのシーンでは、アバナシーのケータイの着メロが、「KILL BILL Vol.1」でダリル・ハンナが口笛で吹いていた"Twisted Nerve"だという、思わずニヤリとさせられる小ネタが含まれていたり、70年型ダッジ・チャレンジャーの試乗を交渉するシーンでアバナシーが持っていた、リーの写真が掲載されているファッション誌をこのコンビニで買ったってことが分かったりと、やっぱカットするには勿体無いシーンでございました。

 そして、この作品最大の見せ場であるカーチェイス・シーンは、分かっちゃいるけどワクワク。ラストのボッコボコにされる"へタレ"スタントマン・マイクとクールな女のコたちとの対比もお見事で、やはりスカッとしたのでありました。さすがに今回は場内拍手は起こらなかったけどね(苦笑)。やっぱ、タランティーノはサイコーの映画オタクだよ。

2007/09/01@TOHOシネマズ府中
グラインドハウス
お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 私の"師匠"である、クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスがタッグを組んだ彼らの最新作は、60~70年代のグラインドハウス・ムービーへオマージュを捧げたその名もズバリ「グラインドハウス」(グラインドハウス・ムービーについては、公式サイトを参照のこと)。

 日本では、ロドリゲス監督の「プラネット・テラー」とタランティーノ監督の「デス・プルーフ」がそれぞれ単独の作品として公開されるのだが、それに先駆け、この2本をひとまとめにして連続上映するUS公開バージョンが、日本でも期間限定で公開された。

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 まず最初は「プラネット・テラー」。この作品の上映前には、フェイク予告編として、ロドリゲス監督による「マチェーテ」の予告編が上映された。

 これは、「スパイキッズ」でダニー・トレホ演じる"優しいおじさん"の過去を描いた作品という設定。凄腕スナイパーが政治家暗殺の陰謀に巻き込まれるという、どこかで見聞きした内容だけど(笑)、深く考えないでおこう。ロドリゲス作品ではお馴染みのチーチ・マリンも出てます。てか、これ、いかにもロドリゲスらしいアクション満載で、1本の作品として撮ってもらいたいくらいの出来栄え。

 いよいよ「プラネット・テラー」本編へ。一言で言っちゃうと、近未来系SFスプラッター・ホラー映画って感じ(なんだそりゃ?)。

 軍が極秘に開発した生物兵器のガスを浴びると人々が凶暴なゾンビ系に豹変しちゃって、ガスに感染しなかった人間とバトルを繰り広げるもの。とにかくCGバリバリ(死語)で血や肉片はエグイ位に飛び散るは、あちこちで爆破シーンはあるは、アクション満載でお色気も少々(笑)。オマケにビニール袋に詰めたキン○マとかタランティーノ演じるレイプ魔ナンバー1のペ○スがドロ~とか、サイコーに悪趣味(爆)。

 細かい元ネタなんて分からなくても、好き勝手にやりたいように撮ったこのいかにもなB級感は、ロドリゲス監督が影響を受けたこの手の作品への愛情たっぷり。それと、映画製作の基本的なパートはほとんどすべて彼自身が手掛ける彼らしく、楽しんで撮影してるというのがよく分かります。

 それにしても、ゾンビ系と対決する"人間"サイドのリーダー的存在であるレイの正体が何なのか分かると思われるシーンのリールは喪失しましたって!(爆)気を持たせすぎ(笑)。

 その他、バーベキュー・ソースのレシピが兄弟不和の原因だったり(笑)、"無駄な才能"が役に立ったり(チェリーがブリッジでミサイルを避けるシーンが好き)と小ネタも満載だし、片足マシンガンがクールなチェリーや、レイプ魔ナンバー1(スゲェ強烈!)を初めとしたキャラも立っている。そして、ホント、全体を覆うチープ感がたまらんわ。

 「プラネット・テラー」に続いては、「デス・プルーフ」が上映されるのだけど、その前に、このUS公開バージョンでしか観られないフェイク予告編が3本(劇場購入のパンフレットからの引用あり。

 ロブ・ゾンビ監督/「ナチ親衛隊の女狼」
 ナチス・ドイツが人狼部隊を作るために収容所の女性に人体実験をするというという話。予告編ラストにはフー・マンチューに扮したニコラス・ケイジが登場。

 エドガー・ライト監督/「Don't」
 幽霊屋敷ホラー。豪邸のドアを開けるとそこでは・・・。という、いかにもな感じのホラー映画の趣。

 イラーイ・ロス監督/「感謝祭」
 感謝祭の日に殺人鬼が人を殺しまくって七面鳥よろしくローストするというかな~りエグイ作品。首が飛びまくり(爆)。

 どれもフェイク予告編のみというには勿体無いほどそそられます(笑)。

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 そしていよいよ「デス・プルーフ」へ。こちらは性倒錯殺人鬼vsキュートで強い女のコたちという趣の、カーチェイス・アクション・スラッシャー映画(これまたなんだそりゃ?)。

 いきなり「漏れそう~!」な感じでホットパンツ(!)の前を押さえてトイレに駆け込もうとするオネェちゃんのシーンが出たかと思えば、「レザボア・ドッグス」を髣髴とさせる延々と続く意味のない(笑)ちょっと下品なガールズ・トーク。

 殺人鬼スタントマン・マイクに目を付けられて、バーでの彼とのやり取りの後、バタフライことアーリーンがラップ・ダンスを踊るってことになったら、そのシーンがまたまたリールが喪失しました!って・・・。結局美味しいとこカットかよ!(爆)

 そうかと思えばあっさりとスタントマン・マイクの餌食になって前半で全員死亡っていうのもスゴイ。結局前半部分は、散々気を揉ませた挙句のすべて後半部分の前フリに過ぎなかったってことね(笑)。

 後半戦は、また新たな女のコたちに目をつけたスタントマン・マイクと女のコたちのカーチェイスが見所なんだけど、その前にお約束(?)のこれまた意味のない(笑)ガールズ・トーク。しかしまあ、こうしたガールズ・トークのセリフ回しだとか、ホットパンツ、バーのポスター、ジュークボックスなどの小道具に至るまで、タランティーノの細かいところのこだわり、オタク感覚は見事だね。

 また、この作品の見所のラストまで続くカーチェイス・シーンは、CGなしのホンモノ。本人を演じるゾーイ・ベルは元々「KILL BILL」でウマ・サーマンのスタントをやってた本職だけに、その辺はお手のものだろう。ガッツンガッツンぶつかり合うシーンを観てるとスカ~っとするわ~。

 そして、ラストで女のコたちにボッコボコにされるスタントマン・マイクことカート・ラッセルの怪演もお見事。攻めているときは超強気なのに、一旦守勢に回ると超へタレなただのオッサンに豹変しちゃうんだもん。サイコな殺人鬼が「助けてくれ~!」だとか「痛いよ~!」だとか言ってる場合かっつうの(爆)。このボッコボコにされるラスト・シーンはとにかく痛快且つ爽快且つ爆笑モノ。完全にKOした後に"THE END"が出た瞬間、思わず爆笑しながら拍手してましたから。オマケに、その後踵落としで止めを刺すってんだからね~(笑)。

 しかしまあ、両作品ともフィルムのくたびれ感とかノイズとかも忠実に再現するって、よくここまでやりますな~。色々書いたものの、内容的には両作品とも大した内容ではないけど(爆)、ここまでこだわりを持って撮られると、そりゃ拍手したくなりますって。

 やっぱり、「グラインドハウス」は、こうして2本連続で観るのが正しい鑑賞方法じゃないのかな~と思う。表現方法は異なれど、根底に流れる彼らが影響を受けたB級映画に対する深い愛情と見事なオタク精神がビンビンと伝わってきて、彼らも好き勝手にやりたいことを楽しんでやっているだろうけど、観ているこっちも嬉しくなってくるもん。よって、どっちが優れているかとかという比較はまったくもってナンセンス。

 それと、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」や「KILL BILL」(以前「KILL BILL」について書いたレビューは、こちらこちら)でお馴染みのマイケル・パークス演じるアール・マックグロウ保安官が両作品に登場していたり、「プラネット・テラー」では強いヒロインのチェリーを演じたローズ・マッゴーワンが、「デス・プルーフ」では前半部分であっさり殺される女のコ演じていたりと、2作続けて観ることで「あれ、あれ~!?」な~んて感覚を味わったりできるからね。

 なお、この両作品を観て、下品だとか暴力的過ぎるだとかナンセンスだとかクダラナイとか本気で怒る人がいたら、その人の頭の構造を心配しちゃいます(爆)。だって、これって、サイコーにクダラナくて、サイコーに下品でサイコーに面白い作品だも~ん♪というわけで、2本合わせた「グラインドハウス」として、今年のベスト映画に決定!です(笑)。あとは、それぞれ単独公開の"ディレクターズ・カット版"を観れば完璧ですな。

2007/08/30@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
2006/12/09 初めての"007"


 年末に向けて何本かの観たい作品が来週から公開されるので、今週は特に"これ!"といった作品はなかったのだけど、「Jの悲劇」、「レイヤー・ケーキ」で好演していたダニエル・クレイグがニュー・ジェームズ・ボンドを演じるということで興味を惹かれた「007 カジノ・ロワイヤル」を観ることにした。
[2006/12/09 初めての"007"]の続きを読む
ホテル・ルワンダ
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「真実の物語」
お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 現在公開中の作品で一番の期待作であるこの作品、メインの上映館であるシアターN渋谷は、まだまだ混雑が予想されるため(しかもあそこは旧ユーロスペースのときからそうだったけど、とにかくスクリーンが見づらい)、ほとぼりが冷めるまで観るのを控えようと思ってたんだけど、少し早起きして朝刊をパラパラめくっていたら、なんと、今日(2/4)からユナイテッドシネマとしまえんでも公開というじゃありませんか。いよいよ拡大公開決定というわけだね。今からダッシュで家を出れば、初回の9:45の上映にも間に合うぞと、急いで新宿まで出てそこから大江戸線で一路としまえんへ。無事にお気に入りの座席を確保できてひと安心。でも、上映開始時間には、朝一の回であるにもかかわらず、客席が結構埋まっていたっけ。やはり、この作品に対する注目度がかなり高いということなのだろう。

 観終わって最初に思ったのは、無知というのは恐ろしいということ。恥ずかしながら、私は1994年に起きたこの"ルワンダ大虐殺"のことを知らなかった。もしかしたら当時の新聞記事等で目にしていたのかもしれないが、所詮は自分とは関係のない第三世界のこと。この作品でもホアキン・フェニックス演じる報道カメラマンのダグリッシュが言うように「世界の人々はあの映像を見て"怖いね"と言うだけでディナーを続ける。」という感覚でそのまま見過ごしていたに違いない。結局この作品の日本公開がなかなか決まらなかったのだって、アカデミーにノミネートされたことで配給権が高騰したということはあるにしても、アフリカの良く知らない国の民族紛争の話なんて、日本人が興味を持つとは思えないという考え方が日本の映画会社側にあったからではないか?という穿った見方もしてしまいたくなる。

 それは傍観者に過ぎない我々同様、本来このルワンダの惨状を救うべき先進国にしても同じことで、結局はアフリカの小国内の争いごとに過ぎないという認識しか持てなかったのだろうし、そういったアフリカの人々に対する偏見。将軍(だったかな?)が言う「結局お前たちは"ニガー"ですらない。」という言葉にすべてが集約されているのではないか。

 それと何とも無力な国連軍。その仲裁すらできない自らの無力さに歯噛みし、憤りともどかしさを覚えながらも何もできない辛さは、ニック・ノルティが演じるオリバー大佐の姿に投影されている。欧州諸国が介入準備を進めているといいながらも、結局救えるのは国連兵士や外国人のみ。退去せざるを得ないダグリッシュの姿に何とも言えない虚しさと哀しみ、痛みを覚え、涙が止まらなかった。

 そんな民族紛争の最中、自らの家族を守ろうという強い思いだけであらゆる手を使ってその窮状を何とか凌いでいくポール。彼は決して聖人君子などではないし、その手段には決して誉められるものではないものもあるとはいえ、この追い詰められた極限の状況、まさに"Living On The Edge"な状況(民兵に追い詰められたら、ホテルの屋上から飛び降りるように妻のタチアナに伝えるあのシーンに、その切羽詰った状況が垣間見られる)ではそんな綺麗ごとは言っていられない。とにかく生き延びること、それが一番大事なのだ。そんな彼が家族だけではなく、ルワンダの難民をも何とか救おうという想いに駆られていく様、そして、ラスト近くの将軍を向こうに回して一歩も退かないシーンは、まさに"侠気"とも言うべきものだ。このポールという男をドン・チードルが人間の弱さ、そして強さを見事に表現する様は説得力に溢れ、自分の語彙のなさに呆れるが、お見事という他はない。

 モチロン、今このことを知ったからといって、何か特別な行動を起こせるとは思えないけど、それでも、もっと世界に目を見開くべきなのではなかろうかという思いを強くしたのは間違いない。昨年は不作だった映画だが、もしこの作品が昨年公開されていたならば、間違いなくぶっちぎりの年間ベスト作品になっていたことだろう。それほどこの作品が与えてくれた衝撃は大きく、この作品について語るべき上手い言葉が見つからないが、久々の"大傑作"と声を大にして言いたい作品だ。

 ところで、ミル・コリンの親会社の社長って、あれジャン・レノだよね?どこにもクレジットがなかったように思えたのだけど、所謂"カメオ"扱いなのかな?

2006/02/04@ユナイテッドシネマとしまえん