Once Bitten,Never Shy~言わずに死ねるか!~
日々の出来事言いたい放題。毒適量。
ホテル・ルワンダ
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「真実の物語」
お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 現在公開中の作品で一番の期待作であるこの作品、メインの上映館であるシアターN渋谷は、まだまだ混雑が予想されるため(しかもあそこは旧ユーロスペースのときからそうだったけど、とにかくスクリーンが見づらい)、ほとぼりが冷めるまで観るのを控えようと思ってたんだけど、少し早起きして朝刊をパラパラめくっていたら、なんと、今日(2/4)からユナイテッドシネマとしまえんでも公開というじゃありませんか。いよいよ拡大公開決定というわけだね。今からダッシュで家を出れば、初回の9:45の上映にも間に合うぞと、急いで新宿まで出てそこから大江戸線で一路としまえんへ。無事にお気に入りの座席を確保できてひと安心。でも、上映開始時間には、朝一の回であるにもかかわらず、客席が結構埋まっていたっけ。やはり、この作品に対する注目度がかなり高いということなのだろう。

 観終わって最初に思ったのは、無知というのは恐ろしいということ。恥ずかしながら、私は1994年に起きたこの"ルワンダ大虐殺"のことを知らなかった。もしかしたら当時の新聞記事等で目にしていたのかもしれないが、所詮は自分とは関係のない第三世界のこと。この作品でもホアキン・フェニックス演じる報道カメラマンのダグリッシュが言うように「世界の人々はあの映像を見て"怖いね"と言うだけでディナーを続ける。」という感覚でそのまま見過ごしていたに違いない。結局この作品の日本公開がなかなか決まらなかったのだって、アカデミーにノミネートされたことで配給権が高騰したということはあるにしても、アフリカの良く知らない国の民族紛争の話なんて、日本人が興味を持つとは思えないという考え方が日本の映画会社側にあったからではないか?という穿った見方もしてしまいたくなる。

 それは傍観者に過ぎない我々同様、本来このルワンダの惨状を救うべき先進国にしても同じことで、結局はアフリカの小国内の争いごとに過ぎないという認識しか持てなかったのだろうし、そういったアフリカの人々に対する偏見。将軍(だったかな?)が言う「結局お前たちは"ニガー"ですらない。」という言葉にすべてが集約されているのではないか。

 それと何とも無力な国連軍。その仲裁すらできない自らの無力さに歯噛みし、憤りともどかしさを覚えながらも何もできない辛さは、ニック・ノルティが演じるオリバー大佐の姿に投影されている。欧州諸国が介入準備を進めているといいながらも、結局救えるのは国連兵士や外国人のみ。退去せざるを得ないダグリッシュの姿に何とも言えない虚しさと哀しみ、痛みを覚え、涙が止まらなかった。

 そんな民族紛争の最中、自らの家族を守ろうという強い思いだけであらゆる手を使ってその窮状を何とか凌いでいくポール。彼は決して聖人君子などではないし、その手段には決して誉められるものではないものもあるとはいえ、この追い詰められた極限の状況、まさに"Living On The Edge"な状況(民兵に追い詰められたら、ホテルの屋上から飛び降りるように妻のタチアナに伝えるあのシーンに、その切羽詰った状況が垣間見られる)ではそんな綺麗ごとは言っていられない。とにかく生き延びること、それが一番大事なのだ。そんな彼が家族だけではなく、ルワンダの難民をも何とか救おうという想いに駆られていく様、そして、ラスト近くの将軍を向こうに回して一歩も退かないシーンは、まさに"侠気"とも言うべきものだ。このポールという男をドン・チードルが人間の弱さ、そして強さを見事に表現する様は説得力に溢れ、自分の語彙のなさに呆れるが、お見事という他はない。

 モチロン、今このことを知ったからといって、何か特別な行動を起こせるとは思えないけど、それでも、もっと世界に目を見開くべきなのではなかろうかという思いを強くしたのは間違いない。昨年は不作だった映画だが、もしこの作品が昨年公開されていたならば、間違いなくぶっちぎりの年間ベスト作品になっていたことだろう。それほどこの作品が与えてくれた衝撃は大きく、この作品について語るべき上手い言葉が見つからないが、久々の"大傑作"と声を大にして言いたい作品だ。

 ところで、ミル・コリンの親会社の社長って、あれジャン・レノだよね?どこにもクレジットがなかったように思えたのだけど、所謂"カメオ"扱いなのかな?

2006/02/04@ユナイテッドシネマとしまえん
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ダイヤモンド・イン・パラダイス
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「この俺に、盗めないものはない―。」
お楽しみ度 ☆☆☆☆

 全米公開は2004年なのね、この作品。日本公開がずいぶん遅れたな~と思いながら観たら、確かにかなりお約束的な展開だけに、日本で大ヒット!という内容ではないような気が。でも、理屈抜きでお気楽に観れば、テンポもいいし、素直に楽しめる作品だと思う。

 "ナポレオン・ダイヤモンド"の最後のひとつを巡って、泥棒家業から引退したマックスvsFBI捜査官のスタンという図式に、バハマの地元警察、そしてこの島を牛耳るギャングのヘンリーが入り乱れての駆け引き、騙し合い。そして最後に笑うのは誰か?確かに展開は最後のどんでん返しも含めてお約束的だし、盗みのテクにしてもさほど目新しいものはない。でも、マックスとスタンの掛け合いに、お互いを認める妙な"友情"チックな感情を認めたりして、"ルパンvs銭形のとっつぁん"みたいな雰囲気を出してて、それが上手い具合に物語の展開に溶け込んでいて、いいテンポを生み出していた。

 また、スタンを演じるウディ・ハレルソンがここまでコミカルな雰囲気を出せる役者だとは思っていなかったので、いい意味での驚きもあったし、ローラを演じるサルマ・ハエックも相変わらずのセクシーさ(笑)。どう見ても今年40だとは思えんぞ。あと、ヘンリーを演じるドン・チードルね。地元を牛耳るギャングだけどやっぱりちょっとタリない(笑)。先日観た傑作「ホテル・ルワンダ」とはかなり違うキャラで、彼の芸の幅広さも再認識した。ピアース・ブロスナンについては、彼のことは特段興味もないので、彼のことを"セクシー"、"クール"と言っていいのかは?です(爆)。

 それと、この作品には先日急死したクリス・ペン(R.I.P.)がほんの少しだけ出演している(冒頭のバスケ・シーンで、会場で騒ぎ立てる観客)。オープニングのクレジットに彼の名前を見つけたときには、たとえ本人が亡くなったとしても、こうやってその作品は残るんだな~と、しみじみとした気持ちになった。あらためて彼のご冥福を祈りたい。

 そして、個人的なこの作品の一番の見所(?)だったのは、冒頭のバスケ・シーンで、エドワード・ノートンがカメオ出演していたこと。スクリーンに映るのはホンの一瞬だから気がつかない人もいるだろうし、私も彼が出ているなんて知らなかったから目を疑った。でも、一瞬でも彼のあの目がとても印象的で、これは絶対彼に違いないと、色んなサイトを検索したところ、http://www.flix.co.jp/page/N0004490という記事を見つけたので、間違いないだろう。確かにブレット・ラトナー監督の「レッド・ドラゴン」に主演していたし、なんたってサルマ・ハエックの元彼ですから(笑)、出ていても不思議ではない。そういや前日に買ったSIXPENCE NONE THE RICHERの"Kiss Me"がサントラに使われてましたな。やっぱりこの曲はヒット曲なんだと実感した。

2006/02/25@ユナイテッドシネマとしまえん

 本日までのお買い物>PROCOL HARUM 「A WHITER SHADE OF PALE」、SIXPENCE NONE THE RICHER 「THE BEST OF SIXPENCE NONE THE RICHER」、TWISTED SISTER 「BIG HITS AND NASTY CUTS」(以上CD)
観ないで死ねるか!~2006年劇場鑑賞作品一覧2月編~
 赤字の作品は、別にレビューをアップしていますが、それ以外のレビューを書き切れない作品についても、一言コメントを添えるようにしました。 

015 ウォーク・ザ・ライン ☆☆☆☆ 2/25@ユナイテッドシネマとしまえん
  ジョニー・キャッシュとジューン・カーターとの愛の軌跡。このふたりの生き様も凄いが、吹き替えなしで見事な歌声を聴かせるホアキン・フェニックスとリーズ・ウィザースプーンも凄い。恋愛映画としても、音楽映画としても見応えのある作品だ。

014 ダイヤモンド・イン・パラダイス ☆☆☆☆ 2/25@ユナイテッドシネマとしまえん

013 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 ☆☆☆☆★ 2/24@シャンテシネ
  内心では、きっと迫りくる"死の恐怖"に打ちのめされそうになっていたのだろうけど、それでも自らの信念を貫き通し、凛とした強さを見せるゾフィー・ショルの姿に身が引き締まる思いだ。それ故ナチスも彼女を怖れ、逮捕からわずか4日という短期間で裁判を結審し、処刑したということか。それにしても、何故もあそこまで強くいられるのだろう・・・。最後の法廷での彼女の陳述、兄と仲間との"最後の一服"、彼女が拘置所の窓から外を眺めるシーンなど、印象深いシーンも盛り沢山の傑作だ。

012 僕のニューヨークライフ ☆☆☆☆ 2/24@恵比寿ガーデンシネマ
  台詞回しの妙、ユニークなキャラクター、安心して観ていられる作品だ。いつものウディ・アレンが演じるような役回りを、今回はジェイソン・ビッグスが代わりに演じているような印象を受けた。

011 アサルト13~要塞警察~ ☆☆☆☆ 2/18@みゆき座
  いかにもB級臭いアクション映画ながら、オリジナルがジョン・カーペンターとくれば、それも納得(笑)。とはいえ、お約束的な展開ながらも息をつかせぬ展開でラストまで引っ張るその展開はなんだかんだ言っても楽しめた。ローレンス・フィッシュバーン演じるビショップのキャラがクール。ジョン・レグイザモも「タブロイド」とはまた違い、キレてるね(笑)。

010 忘れえぬ想い ☆☆☆☆ 2/11@シアターN渋谷
  とても地味な作品だけど、心に残る。お互い心に傷を抱えた男女が、どのようにして自らの過去と折り合いをつけ、未来へと進むのか、そして、"好き"の一言も言わずに徐々に心が近づき、寄り添っていく様がしっかりと描かれている。ラストのケータイでのやり取りに涙。上映終了後に流された香港オリジナル予告編を観て2度泣き(笑)。でも、セシリア・チャンのあの"ハスキー・ボイス"はいただけないぞ(爆)。

009 ブラックキス ☆☆☆☆ 2/5@Q-AXシネマ

008 タブロイド ☆☆☆☆ 2/4@ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ
  "スクープ"に取り付かれた記者と、容疑者である男との心理戦。その果てに導き出されるのは、取り返しのつかない、何とも後味の悪い結末。その衝撃に息を呑む。

007 ホテル・ルワンダ ☆☆☆☆☆ 2/4@ユナイテッドシネマとしまえん
2006/02/22 何たる強運!
 昨夜帰宅してメールチェックすると、VIRGO MUSICからのメールが。もしやと思って内容を確認したところ、やはり、先日申し込んでいた5/9にSHIBUYA-AXにて行われるアンジェラ・アキ、待望のワンマン・ライヴの優先チケット当選メールだった!去年はアンジェラ・アキ関連のイベントの当選率が非常に高く、その一方で、年が変わってそれが持続するか一抹の不安を抱いていただけに、無事に当選して、まだこの強運は続いてくれるんだと、なんか嬉しくなった。マジでパソの前でガッツポーズで狂喜乱舞でしたから(笑)。他のアンジェラ仲間も当選したみたいで、昨夜はメールや電話でいろんな意味(謎)で盛り上がってました。

 でも、当選メールを受け取っただけではチケットを確保できるわけではないので、忘れないうちにと今日の会社の昼休みにソッコーでチケット代振込み完了。これで間違いなく5/9はSHIBUYA-AXだな。仕事のスケジュール的にもおそらくそれほど忙しくないので、先日のDuo Rockのようにドキドキしながら当日を迎えるということはなさそう(笑)。

 しかし、今日、先日まで取り掛かっていて、無事に終わらせたはずの仕事にミスが発覚。幸い大事に至ることなく処理することができたのだけど、モチベーション上がってガンガン仕事をこなしていたと思っていたものの、やはりどこかに焦りがあったのかもしれない。バタバタしているときこそ落ち着いて冷静に物事を見なければならないとあらためて反省した。一歩間違えると、取り返しのつかないことになってたからね。

 本日までのお買い物>HELLOWEEN 「WALLS OF JERICHO:EXPANDED EDITION」、「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PARTⅠ:EXPANDED EDITION」、「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PARTⅡ:EXPANDED EDITION」、HIM 「GREATEST LOVE SONGS VOL.666」、「RAZORBLADE ROMANCE」、「DEEP SHADOWS AND BRILLIANT HIGHLIGHTS」、「LOVE METAL」(以上CD)
Angela Aki@Duo Music-Exchange~Duo Rock~(2006/02/15)
 人間"成せば成る"というのはホントのことだな~と実感せずにはいられない。というのも、アンジェラ・アキが出演する"Duo Rock"、どう考えてもこの時期の仕事のスケジュールと、例年の1.5倍増しの仕事量ということを考えると、行けるはずがないと思わざるを得なかった。ダメ元でDuoの先行でチケットを押さえてはみたものの、その時点での可能性は20%あまり。それでも"ひょっとして"ということもあると、最後まで望みを捨てずに仕事は頑張ろうと思い直して日頃のダメ社員ぶり(爆)はどこへやら、毎日ガンガン仕事してたら、モチベーションが思い切り上がってはかどるはかどる。2月に入って届いたチケットの整理番号が信じられないくらいに良い番号だったということがテンション上がるのに拍車をかけ(笑)、ライヴ当日直前の数日は、残業しつつ「今日はこれくらいでいいですよね。」という後輩連中に「いや、明日何があるか分からないから、今日やれることは今日のうちにやっておいた方がいいぞ。」と簡単には帰さないサイテーな先輩ぶりを発揮し(爆)(ま、実際に翌日以降トラブル発生続きで、やっぱりあの時やっておいてよかったですね、ということで収まったのだけど)、迎えたライヴ当日。見事に仕事を終え、会社を出ることができた。

 しかも、運のいいことは続くもので、仮に当日早く会社を出ることができたとしても、さすがに開場時刻には会場へは到着できないというのは分かっていたので、どうすべかと思っていたところ、一緒にチケットを取っていたアンジェラ仲間の連中が、その日は午後から外回りで直帰OK、テキトーな時間に仕事切り上げられる奴とか、その日はオフの奴とか、ず~っとオフの奴(笑)なんかがいたおかげで、会場の席取りは彼らに任せ、私は19:00の開演時刻ギリギリに今夜の会場となる渋谷Duoに駆け込んだ。それでも、メチャクチャ良い整理番号のおかげで、ステージ近くの素晴らしい席を確保してくれており、彼らの友情に感謝感謝でした(感涙)。

 とまあ、相変わらず(苦笑)の長い長い前置きはさておき、ステージ上には本日のトリを務めるTHEATRE BROOKのドラムセットと、ゲストのCaravanのドラムセットが並んでいる。アンジェラのピアノはステージ向かって左手奥に置いてあって、みんなで「そこで演奏されたらまったく観えないよね~。」などと喋っているうちに本日のオープニング・アクトのControl Freak登場。名前からバンドかと思いきや、出てきたのはアコギを抱えた男性ひとり。鬚面にトレーナーにジーンズという、モロ普段着(普段着という点ではアンジェラ・アキも負けていないが(笑))の格好で、アコギとブルース・ハープを交えながら5曲ほど。マイナー調だけどなんか優しい感じのする楽曲が多かったように思える。彼のステージが終わってみんなの一致した感想。「なんか、誰かに似てるというか、コンビニとか、その辺で見たことのあるような人だよね(笑)。」って、曲ぢゃなくてルックスの方かい!(爆)

 続いては、19:30頃にCaravan登場。ベースとドラムを従えた、トリオのバンド編成でした。私は今まで彼のことは知らなかったのだけど、LIQUID ROOMをSold Outにしたり、6月には日比谷野音でライヴをやることが決定してるなど、その筋では人気があるようだ。Caravan本人のルックスもいいし、演奏も安定しているし、グルーブ感も感じられる、なかなか面白いステージだった。演奏時間が短かったのが残念。それにしても、彼らのいでたちもみんな普段着っぽい格好で、ジーンズなどにSTAFF PASSが貼ってあったりして、これがないと、普通のお客さんと間違われたりして(爆)。

 そして、インターバルの間にピアノがステージ中央に運ばれてきて(当然だ)、いよいよアンジェラ・アキのステージだ。時刻は20:20。ステージ向かって右手から登場したアンジェラ。本日のいでたちは最近の定番となった山吹色のパーカーにネイビーのTシャツ(NHK福岡のローカル番組出演のときに着ていた黄色の文字で"I wanna~"のプリントがあるやつ)にブラックデニムにコンバースという、いつもの格好。そしてオープニングは"Rain"だ。いつもは"雨女"の異名を持つ彼女も、東京でのライヴのときは概ね"晴れ女"。今夜もそうなるはずだったのだけど、夜半過ぎから雨が降り出し、結局東京でもジンクスどおりとなってしまったな~と、後で思ってみたりして(笑)。続く2曲目は"空はいつも泣いている"。今夜も安定した歌唱と左足の蹴り(笑)は健在のようだ。

 2曲目まで終えた後、"Duo Rock"ということで、バンド編成の他の出演者に負けずにピアノの弾き語りでアンジェラ・アキの"Rock"を観せるというMCに続き、新曲だというアナウンスの後に披露されたのは、"This Love"。最初はしっとりとしたメロディーラインが、徐々に盛り上がり、壮大なメロディーに転化し、ピアノの音色と彼女の歌声が、それこそ天に駆け上るかのような感覚と、それと同時に高揚感を覚えた。しかも、その楽曲の威力と"信じる力が愛を自由にする"という歌詞(だったと思う。記憶違いだったらゴメンなさい)に心を揺さぶられ、思わず泣きそうになってしまった(因みに、一緒に行った友だちはしっかり泣いていたようだ)。これはいい曲だ。次のシングルにしてもいいし、そうでなくてもアルバムのラストを飾って欲しい楽曲だと直感的に思ったね。個人的には本日のハイライトだった。

 3曲目を終えて再びMC。今夜の会場である渋谷Duoにまつわる話として、2004年の7月にここで観たジャニス・イアンのライヴ、そしてライヴの後に彼女の楽屋を訪れ、暫しの歓談の後にジャニスがマルボロ片手に「音楽は、シンプルになるにしたがって"Rock"に近づくんだよ。」と語ったという名言を披露。その定義からすると、一切の装飾を取り除いたシンプルな形でライヴを行うアンジェラも間違いなく"Rock"なわけだ。それと同時にアンジェラ・アキの考える"Rock"とは、"魂の底から何かをさらけ出す"ことだそうで、これまたアンジェラ・アキというミュージシャンのスタイルを見事に言い表した言葉だとも思った。ここで以前から思っていた"アンジェラ・アキ=Rocker"の図式が完全に間違いないと確信。

 因みに2004年の7月というと、その年の12月から現在のピアノの弾き語りのスタイルでのライヴを開始したアンジェラだけに、おそらくこの頃には今後どのようなスタイルで活動するかということは決まっていただろうと思うから、ジャニスのこの言葉が現在のスタイルの直接の切っ掛けになったとは思わないが、それでも、もしかしたら、ジャニスのこの言葉に自らの進む道の正しさを確信し、背中を押されたということはあったかもしれないと、心の中で勝手に想像してみる私でした。

 それにしても、一切クスリの類には手を出さないというジャニス・イアンが、生涯一度だけコカインをやったことがあって、その一緒にコカインをやった相手がジミ・ヘンドリックスだという話に、いや~、ジャニス・イアンって、マジでロックやわ~!と思い切り頷いてしまいましたな(笑)。

 そんな"Rock"な(笑)MCに続いて繰り出されたのは、3/15発売の「Kiss Me Good-Bye」のカップリングとして収録される"Santa Fe'"。実はこの曲は、私が2003年の6月に初めて観たアンジェラ・アキのライヴ(当時のライヴ・レビューは、このblogの親サイト"Once Bitten,Never Shy"のアンジェラ・アキのコンテンツを参照のこと)の1曲目、すなわち生まれて初めて聴いたアンジェラ・アキの楽曲なのだ(そのときはバンド・バージョン)。その曲を約3年の月日を経てまたライヴで聴けるとはとても感慨深いものがある。しかも、今夜のピアノ・バージョンは、とてもジャジーな感じとグルーブ感満載で、途中のピアノ・ソロっぽいヴァースも含めて思わず"カッチョイイ~!"と叫びたくなるような感じ。間違いなく以前聴いたときよりもパワーアップしているんだと思う。それは、この3年の間のミュージシャンとしての進化の証と言っていいだろう。

 その後は"心の戦士"(ラストでしっかり腰を浮かせてたね(笑))、"Kiss Me Good-Bye"ときて、ラストの"HOME"の前の今夜最後のMCにおいて、重大発表が。来る5/9にSHIBUYA-AXにて待望のワンマン・ライヴが決定したというのだ!この発表にはもう狂喜乱舞。だって、AXだよ。海外の有名どころもライヴをやっちゃうようなところだよ!これはもう、女房子どもを質に入れてでも絶対にチケットはGetしなきゃならないと、固く心に誓ったのでした(笑)。そんなこんなで、その重大発表に頭が真っ白になり、ラストの"HOME"の記憶があまりなかったりして(爆)。こうして今夜のアンジェラ・アキのパフォーマンスは無事に幕を閉じ、盛大な歓声に見送られてステージ袖に引っ込むアンジェラ。ピョン!って感じでステージ袖に飛び降りるその後姿が妙に可愛らしかったとうちらの仲間内でも評判でしたな。って、一体何を観にライヴに行ってるのやら(苦笑)。

 そんなこんなでアンジェラのライヴも無事に終わり、本来ならこの後ソッコー飲みに行くところだが、今夜は今までそのパフォーマンスを観たことがなかった、トリを務めるTHEATRE BROOKのライヴも是非観ておきたかったので、そのまま会場に残る。結論からすると、観ておいてよかったというのが正直なところだ。サウンドのバランスが悪くてVo.が良く聴き取れなかったのが残念だったが、それでも、曲を知らなくても一気に観客をのせてしまうVo.&G.の佐藤泰司氏のカリスマ性、無表情に黙々とベースを掻き鳴らす、シルクハットとブラックのストライプのスーツに身を包んで独特の雰囲気を醸し出すB.の中條氏、にこやかに、だけど堅実にバンドのボトムを固めるDs.の沼澤氏、そしてハンチング帽(かな?)にこれまた独特のファッションセンスのKey.のエマーソン北村氏(キーボードにナイフを突き刺したら面白かったんだけど(笑)。って、そのまんまやん(笑))の四者四様の異なる個性のぶつかり合いに、ファンキーでハードな楽曲が絶妙に絡み合って会場の雰囲気も一気にヒートアップ。キャロル・キングの"It's Too Late"をロック調にカバーするセンスもイカしてるし、1曲1曲を延々とジャムるようなパフォーマンス(後で彼らのオフィシャル・サイトでセット・リストを確認したら、4曲しか演ってなかったのね!)もカッコいい。これぞ"Rock"、彼らも間違いなくライヴ・バンドだということを実感し、素直にカッコいいと思い、他の楽曲も聴いてみたいと思った。唯一残念なのは、アンコールがなかったことだが、それでも、こうしたパフォーマンスを観ることができるから、ライヴに行くのを止められないんだよね。2階席で彼らのパフォーマンスを観ていたらしいアンジェラ・アキも、今夜の彼らのパフォーマンスから学ぶ点が多々あっただろう。それを今後の糧にして、一層精進を重ねてもらいたい。

SET LIST
Angela Aki
01.Rain
02.空はいつも泣いている
03.This Love
04.Santa Fe'
05.心の戦士
06.Kiss Me Good-Bye(英語ヴァージョン)
07.HOME

THEATRE BROOK
01.ドレッドライダー
02.It's Too Late
03.ありったけの愛
04.How do you do Mr.President
2006/02/19 「Kiss Me Good-Bye」全貌
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 3/15発売のアンジェラ・アキの3rdシングル「Kiss Me Good-Bye」の詳細がオフィシャル・サイトでもアナウンスされた。収録曲は

01.Kiss Me Good-Bye
02.Santa Fe'
03.青い影(PROCOL HARUMのカバー曲)
04.Kiss Me Good-Bye(英語ヴァージョン)

となっている。ここで注目すべきは、1/14のニッキで書いたときの情報から収録曲が変更になったことだ。3曲目の恒例のカバー曲が、"Kiss From A Rose"から"青い影(Whiter Shade Of Pale)"へと変更になっている。あのときも"決して公式な情報ではない"と書いたとおりで、こういったことはよくあること。そのときの情報ソースの文教堂のサイトの情報は、些かフライング気味だと思っていたから、もしかしたらという思いはあったし、もし変わるとしたらカバー曲だろうなと思っていただけに、ホントにそのとおりになったわけだ。

 というのも、SEALというアーティストの楽曲をアンジェラ・アキが取り上げるということに違和感があったからだ。1994年頃の楽曲だから、彼女がハワイに移住した後に聴いた曲なのだろうが、どうも影響という意味でちょっと違うような気がしていた。モチロン、実際にレコーディングはしていたのだろうし、"青い影"の方が完成度が高かったからとか、シングル全体の構成にフィットしていたからという理由もあるのだろうけど(あくまでも想像です)。

 それと、今まで彼女がカバーしてきた楽曲というのは、"クラシック"とも言うべき曲(結果的には実際に会って、「ONE」にもコメントを貰ったジャニス・イアンもこちらに含んでよいだろう)と、フィオナ・アップルやスマパンなどの影響を受けたミュージシャン、青春のバンドという2つのタイプに分かれていて、それらのカテゴライズとSEALというミュージシャンの存在が、私の中ではまったく結び付かなかったというのもある(かなり音楽の守備範囲の広い彼女だから、SEALが後者に属するという可能性も十分あるので、これはあくまでも私の感覚的なものだということをお断りしておく)。

 そうした意味でも、今回の変更は大歓迎。"クラシック"に属する"青い影"、曲名は知らなくても、昔CMでも使われていたし、音楽ファンなら一度は耳にしたことのある楽曲だろう。個人的な思いとしては、カバー曲は、"クラシック"な楽曲をメインに続けてもらいたい。そうすることで、オリジナルを聴こうとする若いファンも増えるだろうし、音楽を聴く楽しみを実感し、音楽の守備範囲も広がるだろうと思うから。ま、最近の新しい楽曲は、その場限りの心に残らないツマラナイのが多いので、そういうのをカバーされてもあまり有難みを感じないというのもあるんだけどね(苦笑)。

 あとは、こうした洋楽をそのままカバーするのではなく、歌詞をオリジナルなものにしてカバーするということになると、アーティストによっては楽曲の使用許諾が下りないという事態も想定されるわけで、ある程度の制約の中で、いかにセンスのいいカバーをするかということが、今後も彼女がカバーを続けていく上での課題になるのだろう。

 因みに2曲目の"Santa Fe'"は、先日のDuo Rockでも演奏されていたが、約3年前に彼女のライヴで初めて聴いたときよりも間違いなくパワーアップしていた。それは、この3年の間にミュージシャンとしてかなりの高レベルで進化していることの証と言っていいだろう。3/15の発売日が楽しみだ。
2006/02/11 高い授業料
 いつもは基本的に駐輪場に自転車を止めているんだけど、今日は何故か駐輪場代をケチって駅前にチャリを放置プレイして渋谷で「忘れえぬ想い」をご鑑賞。地味な作品だけど、スッキリと気持ちよく泣けたな~。最近韓国映画はあざとさが鼻につくようになってきただけに、そういうあざとさがなく泣ける香港映画はいいな~と実感。

 で、映画鑑賞後地元駅に戻ったら、駅前に放置プレイしていたチャリが、な、ない~~~~~!見事に撤去されてた。こういうときに限って撤去しやがるんだもんな~。チャリが私の生活の足だけに、すぐにでも撤去自転車の集積場所に取りに行かなきゃと、電車とバスを乗り継ぐのはメンドーなので、奮発してタクって集積所へ。しかし、タイミングの悪さは重なるもので、タクシーの運ちゃん、道知らないでやんの。車のナンバーからもしかしたらと思ったら、案の定。しょうがないので運ちゃんに指示してなんとか集積所へ。撤去自転車の引き取り手数料3,000円也を払って無事に取り戻してきた。100円ケチって放置プレイしたら高くついたよ(泣)。今後はいつもどおりちゃんと駐輪場に止めようっと。なんか思い切り高い授業料払った感じ。

 本日のお買い物>花村萬月 「ゲルマニウムの夜」、「皆月」、東野圭吾 「レイクサイド」(以上書籍)
2006/02/08 サクラサク
 残業中に姉貴からメール。どうやら下の姪っ子が高校入試を無事にパスしたようだ。以前から行きたいと言っていた志望校、彼女の学力レベルからするとちょっとハードルが高いと思われていたみたいだけど、それを見事にクリアって、なかなかやるぢゃん。さすがは私の姪っ子(笑)。上のお姉ちゃんも、正月に実家に帰ったときには将来の進路について、こういう方面に進みたい、という確固たる意志を持っていて、いつの間にか、彼女たちも大人になったのね~としみじみ。そりゃ私も年を取るってば(笑)。

 下の姪っ子は、幼少の頃に大病を患って、一時は覚悟もしたんだけど、何とか今まで無事にきてる。それがいちばん嬉しい。それにしても、うちの家族はうちの父親といい、私といい、そして姪っ子といい、大病して一度は死を覚悟した人間が多いな。"死に損ない"ばっかりだ(爆)。

 それはさておき、2/15のDuo Rockに向けて、明るい兆しが。以前は80-20の確率で行けないだろうという感じだったのが、ここのところマジで気合い入れて仕事片付けているだけに、50-50くらいまで盛り返してきた感じ。やっぱりチケット押さえておいて正解だ。この日のためにと、モチベーチョンが思い切り上がってるもん。アンジェラ・アキのライヴを観るためもう一息、頑張るぞと。
ブラックキス
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「殺しの芸術家、その最大の武器は"恐怖"」
お楽しみ度 ☆☆☆☆

 本来なら今日は別件で出かけるお誘いがあったのだけど、仕事の都合でどうなるかまったく読めなかったため、先方にご迷惑をかけるのは避けたかったのでキャンセルしていたところ、結局今日は仕事にならずに一日ポッカリ空いちゃいました(笑)。それならどうするべかと思案し、やっぱ映画観るっきゃないよねと、「ブラックキス」を観るために先日オープンした渋谷のQ-AXシネマへ。この映画館が入っているビルは、3階にユーロスペースが入っていて、さながらミニシアターのシネコンの様相を呈している。

 Q-AXシネマは地下1階と2階で、1階のエントランス部分にチケット売り場(ここは全席指定席)。チケットを買おうと、いつもどおり例の会員証を提示したところ、窓口のオネェさんが申し訳なさそうに「申し訳ありません。当館ではまだそういった会員証等の受け入れ準備ができておりませんで、ご使用になれないんですよぉ~。」だと。う~ん、アップリンク系の映画館だからその可能性が高いとは思ってたけど、案の定だったね・・・。今さら観ませんとも言えないし、金券ショップに前売り券買いに走るのもメンドーだったので、ここは奮発して(笑)、何年かぶり、いや例の会員証を入手するまでは常に前売り券を買っていたから、もしかしたら社会人になって初めて、ってことは、生まれて初めて一般料金の1,800円払いましたよ。これで映画がツマラなかったら暴れてやる(爆)。でも、同じビルに入っているユーロスペースでは例の会員証が使えて、こっちでは使えないって、ちょっと困ったもんだ。

 それはさておき、「ブラックキス」は、2階の劇場での上映。170席あまりという小さなハコのはずなのに、椅子の構造と椅子間も広さのおかげで、ゆったりと鑑賞することができる。作品的にも"猟奇殺人"をテーマに、犯人に翻弄される警察、そして自分の周囲の人間が次々に犠牲となっていく主人公とルームメイトの恐怖が、ジワジワと押し寄せてくる。犠牲者の切り刻まれた姿なんかは確かにグロイけど、スクリーンから目を背けることができない。この事件の犯人の狙いは、宗教とか組織暴力とかそういうことではなく、とにかく人の心に"恐怖"を植え付けること。これにはゾクリとくるね。クライマックスシーンにはしっかりと伏線が張ってあったりする構成も上手いし、ラストまで緊張感が持続する好作品だ。とにかく"恐怖"がテーマの作品ということで、そういう意味では、作り手の目論みは成功していると言っていいだろう。それ故、犯人が具体的に明示されなくても問題なし(もっとも、あの空港でのラストシーンからすると、もう一悶着ありそうだけど)。これなら1,800円払っても文句はないや(笑)。今年は邦画が元気がいいかも。それにしても、オダギリジョーの切断された顔の上半分がアナログ・レコードの上で回ってるシーンは、エグイのになんか笑えた(笑)。

 で、この作品とは全然関係ないけど、帰りに「METALLION」買って、帰ってからパラパラ読んでたんだけど、とても印象深い記述があったのでここで。BUCKCHERRYの来日公演で、開演前のバックステージでメンバーたちが円陣を組んで「俺達が今ここにいること、こうして日本でプレイ出来ること、総てのことを当然と思わず、感謝を忘れないようにしよう。」と言ったとされるこの言葉、グッとくるね。同じような言葉を以前GREAT WHITEのマーク・ケンドールも言っていたっけ(「日常の何気ないことにも感謝の気持ちを忘れないでいたい。」という趣旨の言葉だったと思う)。どんなことにも感謝の気持ちを忘れないこと、これって、もしかしたら人生で一番大切なことかもしれない。ミュージシャンの場合でも、映画に携わる者の場合でも、どんなに成功しても、その気持ちを忘れたらお終いだよ。

 って、レビューと言いつつ、ほとんどレビューの体をなしてないな、今日のは(苦笑)。ま、レビューっぽい雑記と言うことで。

2006/02/05@Q-AXシネマ